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白魔法のカテゴリーに入る五属性、火・水・風・雷・土の精霊が少なくともいるということは確か。そして雷と土がいるのは俺も知っている。
魔力で出来た生命体。
天使によって作られた人間を模した人形。
「お前らが魔力で出来てるってんなら、話は早い」
右腕の肘から先全てを黒く染め上げ、指の関節をパキパキと鳴らす。
「魔力を消滅させる黒魔法をぶち当てれば、お前らは結構あっさり消えちまうんじゃないか?」
「そうだね。その力は僕らにとって天敵だ。さっきのパンチがただのパンチでよかったって安心してるくらいにね」
「闇属性の魔力で作られた精霊はいないのか?」
「この間来たよ、すっごくおもしろくて賑やかで強いの。魔王のお兄ちゃんが見たらきっと驚くだろうね」
「いつかその日が来るだろうから楽しみにしておくぜ」
「見てみたいよ魔王のお兄ちゃんが驚く顔、どんな顔するのかな~…」
「残念ながらお前は見れねえよ、お前はここで俺が消すんだから」
「見るもんねー。ていうか魔王のお兄ちゃん、"わかっててそういうこと言うのってどうなの?"」
目を細くして幼い顔に似つかわしくない邪悪な色を浮かべるヴォルトに、俺は鼻で笑って適当に惚ける。
「いいじゃねえか。結局俺が戦ってんのは、会長を傷付けたお前らを許せねえってだけなんだ。世界がどうなろうがそんなのはあとでいい。―――まずは、会長を助けることが大事なんだよ!!!」
「………カッコいいね、お兄ちゃん」
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