提案すること、されること

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「なんの真似だ、それは」 低い声音で言ったのは魔王臣下の一人、グリウベン・バーズバイン。青白い肌をした長身の男は眼球だけを動かしフラッシュによって光ったカメラを持つ人間たちを睨み付ける。 グリウベンだけではない。他の臣下たちも同様だったが、妖精のシュリンだけは無反応だった。それどころか、 〈まおーさまに言われたでしょ、おとなしく何もするなって。あとでどーなっても知らないよ〉 「ぬっ…」 シュリンに注意され、四人の臣下は睨むのをやめた。一瞬まずいことになるのではと思ったカメラマンたちは例外なく安堵し胸を撫で下ろす。 しかし、ただシュリンは他の臣下よりも人間界に慣れているおかげでカメラのフラッシュに何も感じなかっただけに過ぎない。 寧ろ憤っているのはシュリンも臣下たちと同じ。いやそれ以上の怒りがあった。それも、人間界をよく知っているからこそだろう。自分の主を晒し者にされて怒りを覚えないわけがないのだ。 それでもシュリンは堪える。歯をグッと噛み締めて。 頭を上げたリオシスは咳払いをして雰囲気を切り替える。 「今回の事件の発端である魔王を名乗った悪魔バエラスは、実は操られていたんだ。人間のあなたたちもよく知る存在―――初代魔王ルベルディーゼに」
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