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「…な……えっ…?」
「条件その一」
校長は人差し指を立てる。
「もう学校を壊さないと約束すること。条件その二」
校長は中指を立てる。
「世界平和団体からの命令でやってきた人物に学校内だけでなく日常も監視されること。そして最後の条件」
校長は薬指を立てる。
「先生や生徒を傷付けず、今まで通りに過ごすこと。……この三つの条件をキミが飲んでくれるのなら、キミは学校を辞めなくていい」
「……………ちょっと、待ってください」
突然過ぎる提案に扇は着いていけなかった。それでも必死に頭を回し、扇は口を動かす。
「条件を飲むとか…そんな簡単な話じゃないでしょ。俺は魔王なんですよ?その条件を飲んだとしても、先生や生徒、生徒の保護者が納得する訳……」
「昨日、生徒とその保護者たちには説明している。私だけでなく、あの勇者も一緒にね」
「………」
「勇者が大丈夫だと言った。勇者パーティーの甲条くんも賛同し、キミの担任の先生である福吉先生も同じく説得してくれた」
扇はすぐさま顔を向けた。その先に座る女教師、福吉 恭子は優しく微笑みを返してくる。
「生徒たちも保護者たちも、昨日納得してくれたよ。形だけの納得かも知れないが、三人のおかげで許可は出た。キミの在学、そして日本滞在も日本政府が許したそうだ。なんでも勇者が直々に掛け合ってくれたそうだよ」
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