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部屋では土方が書類に目を通しており、花と二人座るように促され畳に膝をつけるが、なんというか……近い。 居たたまれなく視線を花に向けるが笑顔で応えられ昆はヘラッと笑い返す 「昆、そいつが前に伝えた女中のお花だ」 土方は書類を文机に置くと咳払いをしながら振り向くが、昆と花の距離感に目を細めた 「お花。こいつは昆と言ってな、協力者みたいなもんだ。出入りも多いし神出鬼没だがな……客ではないから扱いは隊士と同じでいい」 「やだなー。そこは丁重におもてなししてくださいよ」 雑な扱いに軽口を叩いて見るものの下手に出るわけにも行かずヘラッと笑うしかない 「隊士と……?さっきも総司君と稽古の約束してたし昆くんって実は強いの?」 輝かしいばかりの瞳で見つめてくる花に、昆は視線を合わせられず土方に目配せをする 「これでもこいつは角屋の用心棒だ。人は見かけによらねぇから気を付けるこったな」 「角屋……?そうね、人は見かけに寄らないの……」 不意に花の雰囲気が変わった。その目は妙に冷めていて、敵視しているようにも見える 「キレイなお姉さんに囲まれて好き放題してるから私には興味ないのね」 「え……」 その声は小さく土方には聞こえていないのだろう 「お花、大事な話があるから下がってくれ」 花は、わかりました。と一言だけ言うと俯いたまま部屋から出ていった
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