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「修行僧は大人しく寺に籠ってな」 「今行けば命の保障ぐらいはしてやる」 身なりで判断したのだろう。昆を見て、鼻で笑うと下品な目で小町を舐め回すように見ている 「困りましたねぇ」 背中にくっつくように隠れる小町と今にも抜刀しそうな浪士を見て、ヘラッと苦笑した 「てめぇ」 「何をしている」 浪士が抜刀しようとしたその時、昆の正面から威圧感と共に発せられた声に浪士達は振り返った。 「アンタこんな所で何をしてるんだ!昆」 「女子といるんだし護衛じゃないですか?……いや、荷物持ってるし逢い引きかな?」 「え?僕なの?そこはこっちの浪士達に向ける言葉だよね?……一君」 そこにいたのは斎藤と監察方の島田魁だ。斎藤の殺気は浪士達を飛び越えて何故か昆に向けられている。 「護衛なら荷物は持つな。両手が塞がっていてはいざ襲われた時に対処できない」 「え?今説教なの?僕の手がいつも塞がってるの一君知ってるよね?」 殺気を放った斎藤と、方や刀袋と墨で両手が塞がっているにも関わらず緊張感の見えない昆との、まるで漫才の様な会話が浪士達を挟んで行われる これには浪士も小町も驚きだ 「おい」 「俺達は新撰組だ!京の治安を揺るがす者は俺が許さん」 「新撰組だと」 浪士の言葉を遮った島田の豪快な声が町の雰囲気を悪くする 「小町さん、後は二人に任せとけば大丈夫ですよ」 「おいちょっと待て!」 昆は何事もなかったかのように小町の背を押しその場から立ち去ろうとするが、それを許さないのは斎藤だ 「敵前逃亡は切腹だ」 「いやいや、僕隊士じゃないからね?」 「……似たようなモノだろう」 「全然違うから!」 「お前らいい加減にしろぉ!」 終わらない会話に痺れを切らしたのは浪士だった
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