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送っていこう。と斎藤の計らいで、三人で角屋に向かっていた。 少し後ろを歩く小町は俯いていて、昆は心配でちょくちょく様子を窺っていた 「実は副長からの伝言で角屋に向かっていた」 昆の視線は自然と小町から斎藤に移る 「三日後、西本願寺に屯所を移す。それに伴って女中を一人雇って見たので顔合わせに来てほしいそうだ」 「と、言うと?」 昆の視線が鋭くなる 「……見極めて欲しいそうだ」 「考えとく」 斎藤に向いていた視線は前方へと映り沈黙が続く 「それと、内密だったんだがアンタの調子を見てきて欲しいと頼まれた」 「……わざわざ組長と監察を寄越す訳だね。言うって事は何か確認事項でもあるのかな?」 少しおちゃらけて見ただけだった。しかし、ヘラッと笑う昆とは対称的に鋭い視線を斎藤は向けた 「刀を左で扱っていたようだが、右はもう使えないのか?」 昆の足が止まる――― 痛いところをついてくる。流石斎藤だ。斎藤を選んだ土方も目が良い。 昆はフッと笑うとまた歩きはじめる 「実のところよくわからないんだ。感覚はまだ戻ってないような気もするんだけどね。なんせ僕は新撰組の皆と違って稽古をしてないから、怖いんだよ。右でもった刀が思うように扱えなかったらと思うと怖くてたまらない」
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