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「ちょっと、総司君待ってぇっ」 「嫌ですよぉ」 四日後、どうしても都合が付かず日にちをずらせて貰った昆は西本願寺に着くと、目の前で繰り広げられている、沖田と女子の鬼事を見て唖然とした 「あ、昆くーん!待ちくたびれました」 沖田が走って昆に飛び付くと女子も後を追うようにして昆の前にやって来る。 「昆君って言うの?私、花って言いますぅ」 大きな瞳をパチパチさせて昆を覗き混む花。 「昆と申します。土方さんに呼ばれて参りました。お目通り願えますか?」 「あれ?いつになく固いですね……いつもの昆くんはどこに行っちゃったんですか?」 この際、沖田の言動は聞かなかった事にしても花の第一印象が強烈過ぎて笑っている昆の目は引きつっていただろう 「こっちです、一緒に行こ?」 「あ、僕が案内しますからぁ!」 「総司君は稽古があるでしょ?また怒られちゃうよ」 沖田を昆から無理矢理引き離した花は、ベッタリと昆の左腕に絡み付け、胸を押し当てる 「あ!昆くん独り占めなんて、お花ちゃんずるいですよぉ」 「沖田さん?すみません、用件済ませてくるので道場で待ってて下さい」 そう言えば沖田の機嫌はたちまち良くなり嬉しそうに道場へ向かう 「昆くんも強いの?」 未だに左腕から離れずにパチパチさせた目で昆を見つめる花 なんなんだ?この女…… それが昆が花に向けた第一印象だった。
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