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パァァァンと、木刀のぶつかる音が道場内に響く
「いやいや、審判もいないのにいきなり仕掛けてくるっておかしいよね?」
「僕達の仲じゃないですか!審判なんて必要ありません」
「どんな仲だよ!」
笑顔で容赦ない突きを繰り出す沖田に、昆は避けながらキレッキレの突っ込みをかます。
それには隊士達も驚きで、一撃一撃が強烈そうなのに昆の返しの緊張感のなさに唖然としている
「流石、昆だな」
「そうなの?」
ポロっと声が洩れたのは馬越で、花は馬越をみた
「一見昆が不利な様に見えるけどね?沖田組長の攻撃は当たってないし、何より軽口叩いてる時点でまだ本気じゃないね」
「三朗君わかるのぉ?凄いねぇ」
もうしあいが眼中にない花は、馬越に首ったけでガシッと腕に抱き付く
「うぇぇええ」
キテレツな声を発する馬越だがパァァァンと木刀が弾かれた音で我に返った
「危ない!」
木刀は花に目掛けて落ちてこようとしていて、馬越は咄嗟に花を庇うように覆い被さった。
「痛っ」
馬越に木刀が当たると同時に沸き起こる喚声。
「大丈夫?ごめんね」
振り返った馬越の目の前には、試合をしているはずの昆がいた
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