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「お花さんも、すみません。お怪我はありませんか?」
馬越の目の前にはいつもの昆が居て……いつもの?馬越は違和感を感じる。口調が丁寧過ぎる、と。
「試合、どうなったの?」
訳もわからず、結果だけ聞こうとすると昆はヘラッと笑う
「木刀弾かれちゃったので、僕の敗けです」
「納得いきません!」
不貞腐れた沖田も馬越の近くにやって来た
「え……どうしたんですか?」
沖田の迫力に気の利いた言葉が思い浮かばなかった馬越はそのまま聞いてしまう
「木刀を弾いた後にもう一撃入れようとしたら投げ飛ばされたんです!」
「だから、沖田さん!木刀を弾いた時点で試合終了なんですって!どうして二撃目を打ち込んでくるんですか!」
「だってぇ」
「だってぇ。じゃありません!そんなんだから隊士に恐れられ逃げられるんですよ!」
二人の喧嘩。基、沖田が説教を受けている状況に隊士達は唖然とした。
「そもそも僕は右腕の調整がしたかっただけなんです。怪我でどれだけ動くかもわからないのに全力でやるわけないでしょう!」
「ほら!それが納得いかないんです!全力だしてない人に得意な突きを防がれたんですよ?僕の気持ちにもなってください!」
「なに言ってるんですか!防げなかったから木刀が飛んでったんですよ!」
「喧嘩はやめてよぉ」
二人の喧嘩を止めたのは、目に涙を溜めた花だった。
「すみません」
謝ったのはほぼ同時。昆と沖田は目を合わせて苦笑する
こうして、昆はまた面倒事に巻き込まれていくのである
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