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明里は頷くと昆の事を話始めた
「昆はんが来よったんは半年ぐらい前どす。用心棒としておかあはんが雇ったんどすが来て二ヶ月位たった頃に昆はんが怪我して帰って来はったん、それからどす、おかあはんと昆はんがコソコソ話すようになったり下働きの手伝いもしはるようになったんは」
でもおかしいんどす。と明里は続ける
「昆はんが刀を差しとるのを見たことがありまへん。他の舞妓や芸妓も言ってはります。それに刀を持ってはるようなんどすがいつも刀袋に入れて大事そうに持ってはるんどす」
「今日はありがとうございます。また来ますね」
店の前まで見送りに来た明里に山南は一言礼を言う
「二人に話すことがあります。私の部屋に来てください」
歩きながら意味深なことを言い残す
「土方君には気付かれないように来てくださいね」
と―――
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