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コンビニへ行く時に通る公園。そこらの公園よりは少し大きいが、遊具も古い為めったに人がいないそんな公園に寂しく間宮はいた。
小さな赤子を背負い一人は抱っこしていて、間宮はその2人の赤子と一緒に静かに泣いていた。
いつもなら絶対しないだろうが俺はなぜか駆け寄ってしまった。
性格が悪いと思われるかもしれないが間宮の泣き顔を見た時、胸が締め付けられた。
同情や虚しさの様なものもあるだろうが何よりそんな間宮が、あまりにきれいに見えてしまったから。
「こんな所で何やってんの?10時だよ親が探してるかもしんないし心配かけちゃ駄目だろ」
そうだ。
お前には帰る場所があるんだ。暖かい場所がある。こんな所で泣かなくてもいいだろ?
でもどこかでやっぱりとも思った。
何度も否定していたが消せない気持ち。俺と同じ匂いが間宮からしていたから。
何かを隠して、でもそれに触れられないように気付つけられないように一線ひいている。
同族って触れ合えばすぐに分かってしまうから。
「弟って双子だったんだな まだ小さいじゃん夜は冷えるし早く帰ってやれよ」
「うん そうだね 帰らないといけないのにね」
同族と分かれば助けたくなるでもそれと同時にイラつきも覚える
こんな時まで何で笑う?きっと心配させない為。そんなことわかってるのに、この怒りは増していくばかりで消えてくれなかった。
「なんでそんなへらへらすんの?」
分かるよ。心配をかけたくない気持ち。
俺もずっとそうだったから。緊張して息が詰まりそうになって、でも泣くなんて事したら心配をかけてしまうから、1人でこっそり泣くしかない。
そんな時俺は何をしてほしかった?
俺だったらこうされたかった
「ごめんな 俺も分かるから。俺だって同じだったから」
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