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転校生
高校3年の春、就職活動の準備 進学の準備が始まり。
1番大事な時だともいえる時期に突入し始めた時だった。
あいつが転入してきたのは。
こんな時期に?
クラス、いや学年全員が思っただろう。
それには確信が持てた。
「間宮 秋です よろしくお願いします」
女 最初の印象はこれだった。髪は小さく後ろで束ねていて、恐ろしく感じのいい奴だった。
休み時間男も女もそんな転校生に夢中で話しかけ 彼は笑顔を崩さず質問に答えて行った。
クラスの奴は口をそろえ 良い奴だと言った。
「間宮~この後どっか行こ~ぜ?」
初日から良い滑り出しを決めた間宮はもぅ遊びに誘われていた。
「ごめん 誘ってくれるのは凄く嬉しいけど急な引っ越しでまだ荷解きが終わってないから
まだ遊べない」
最初から誘いに断り足早に教室を後にした。断り方が良かったのだろうその場にいた奴は皆仕方ないかと呟き誰一人不満を口にはしなかった。
俺はただ凄いと思った。クラスでは中々上手くやれていて居るがきっと俺は彼のように相手を不快にせず、クラスになじむことは出来ないだろう。
クラスの一人も彼を悪く言うことはなかった。だから俺の中では彼は完ぺきな奴。そんな印象だった
間宮はどうせ1年しかいないからという理由で前の学校の制服を着ることが許された。
特別変わっているわけではないが 違う制服はかっこよく見えたんだろう。クラスの皆は羨ましいと言っていた。
だが俺には不思議でたまらなかった。その制服は本当に今まで着ていたのだろうか?と。
あまりにその制服がきれいだったから。まるで新品のようだから。
学校に慣れてきた頃 間宮は毎日遊びに誘われていた。だがそれを間宮は全部笑顔で断っていた。
この時から俺の中の間宮の印象は何か俺とは違う変な奴になっていた。
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