すべてはあの時から

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 何とかこの言葉だけ口にできました。かすかな声で。聞き取れるか取れないぐらいの。 「拒絶!そうです。あなたの死顔を見たくなった所以となりました。もっともそれは腹いせではありません。私の誘いを断ったことへの。むしろ、高潔さを感じてしまったからでしょうか。」  彼女はそう述べ、作業台の蝋燭を手に取っていました。
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