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すると、実に恐ろしい形相で立っていました。しかも、手にある包丁の刃先はこちらを向いていたのです。
「不思議よね。女として男を愛おしく想う様になると、きっとこの人もこの世に生を賜ったばかりに苦しんでいるんだと。だから死にたいって考えているんだと。そうよ、涅槃よ。あなたを安寧に導かないと。」
私は朦朧としながらもタイミングをはかっていました。私の方へ体を向け相たいした次の瞬間でした。私の腹部めがけ包丁をん突き刺そうとしたのです。私はそれを盾にし、防ぎました。刃は折れ、腕と肩をそこに激しくぶつけたのです。かなりの衝撃でした。何分、二つ折りの例の会議用テーブルでしたから。見ると包丁は床に落ちていました。でも、身の安全が確保されたものでもなかったのです。すかさず、顎に一撃見舞いました。案の定、床に崩れ落ちそのままうつ伏せに倒れました。
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