第2章 熟れた黄桃

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 俺は、ガキだな。無力でバカなただのガキだ。  ちくしょう!!  今まで見ようとしていなかったことが、どんどん目に飛び込んできやがる。  考えたくないから見ないようにしてきたことが、目につく。  考えたって何も変えられないんだから、関わらない方が楽だし。  でも、面倒くさくてもイヤな気分になっても俺はつぼみと関わっていきたい。彼女のためならどんなことも乗り越えられる気がするけど、これをただの気の迷いでは終わらせたくはなかった。  俺はバカだ。  ちくしょう!  頭良くなって、つぼみと生きていけるようになりたい!!  親の脛かじって文句垂れてる時代は終わった。  俺はもうおふくろの付属品じゃない。  自分の部屋にもどると、雑念を捨てて勉強に集中した。
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