4 インド編

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 どうやら物見などは屋根には配していないようだ。安全を確認して北側に下りる。 (ヴィンセントさん、準備オッケーです) (スレシュの様子はどうだ)  屋根からにょきっと頭を出して部屋を覗き込む。 (護衛と思われる部下が5名、部屋にいますね。スレシュは奥のデスクで仕事中みたいです。問題ありません) (わかった。では、そのまま待機しておけ) (わかりました)  通信を終えて、頭を上げる。ずっと下を向いてたから、頭に血が上った。  後はヴィンセントの合図を待つだけ。軽くストレッチしながら、合図を待つ。 (準備は整った。では、行くぞ) (はい!)  ヴィンセントの言葉を合図に作戦を開始した。合図と同時に、ヴィンセント達は門を突破して入ってくる。ミナはスレシュの部屋に窓から突入した。  突然の襲撃に、護衛たちが銃を抜く間もなく、ミナは全員を打倒する。吸血鬼としての動きに慣れてくると、人間の動きなどスローモーション。  普通に動作して普通に秘孔を突いて動きを止めることなんか朝飯前になっていた。何故秘孔かというと、下手に攻撃すると高確率で骨折させてしまうからだ。力の加減自体は中々難しいのである。  デスクで固まっているスレシュに歩み寄る。  スレシュは「来るなぁぁぁ!」と慌てて銃を取り出し、ミナに向かって発砲するも、ミナには銃は効かない。 「こんばんは。スレシュさん。初めまして。今日は取引をしたくて伺いました」 「な、と、取引だと……」  その時部屋のドアが荒々しく開かれた。 「ボス! 大変です! 変な四人組に襲撃されて、一階は壊滅です!」 「な、なに……?」 「それは私の仲間です」  入ってきた男をすかさず捕える。ミナのお願い通りに、北都がミナの長い髪を更に伸ばして男を締め上げた。  ミナから放たれた髪の毛に雁字搦めにされる部下を見て、スレシュは怯えて椅子から落ちた。 「スレシュさん。これは取引です。この屋敷と全財産、私達にください。あなたが首を縦に振れば攻撃は中止します。首を横に振れば、あなたのその首は胴から離れ、部下たちも皆殺しです。さぁ、どうなさいますか?」
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