プロローグ

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クソみたいな世界。 ゴミのような人生だった。 兄弟も姉妹も友人も無く、隔離された島での生活を余儀なくされ………… ………………… 「もう諦めたわ」 女であるが故、恐らく、私に迫られた選択肢は二つしかない。 この身を捧げ、ゲスな特権階級者達の慰めモノと成って生きるか? はたまた…………… (死ぬか……………ね) 冗談ではないと、心の中で何度も首を振った。 しかし、どれだけ拒もうと運命は決まっている。 一人では何も出来ない。 愚かな母は、私の身に宿された強大な力が、不条理な選択肢から守ってくれると信じているけど………… 「あの人は何もわかっていないわ」 ……………… 自嘲気味に、笑みが溢れた。 私は、英雄だった父とは違う。 確かに、他の人よりは力があると思うけど、世界を変えられるほどのモノなんて到底不可能よ。 『姉ちゃん、極上モンだな?』 『あぁ、ここまで良い女は久しぶりに見たぜ』 『さっきからブツブツと、怖くてイカれちまったかぁ?』 だから、こうして捕まっている。 不細工な男達に囲まれ、手足を特殊な縄で縛られて。 母の嘘付き。 貴女が悪い訳ではないけど、少しばかり恨みたくもなるわ。
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