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一月前に故郷を離れ、大陸へと渡った。
浜辺で手製の筏(イカダ)を破壊し、痕跡を消して、慎重に世界を調べていく。
遠くから街並みを眺め、人との接触を避け、サバイバルな生活を行い、意を決して目的の場所へと侵入を果たした。
それから一週間……………
そう、たったの一週間で、私は囚われの身となっている。
母が信じた力など、まるで役に立たなかった。
………………
『姉ちゃん、今まで何処に居たんだ?』
「………………」
『質問に答えろよ』
………………
私は男を知らない。
いや、他人をほとんど知らない。
母から学んだ教育と情報が全て。
もちろん、異性に身体を触れられるのも初めてだった。
『おい、聴いてるのか?』
『先に味見しちまうぞ?』
………………
味見?
言葉は知っていても、真の意味を知らなかった。
先ほど、慰めモノになると言ったが、それにしたって、母から『こうだ』と聴かされただけの代物。
ただ…………
「っ!!?」
『へ、へへへっ』
醜悪なる男達が、私の胸を服の上から揉んだ時、全身に衝撃が走る。
ガタガタと小刻みに身体が震えた。
太ももに手を添えられると、どうしようもない悪寒が全身を麻痺させ、吐き気すら催して…………
(あぁ、これはイヤだな)
猛烈な拒否反応。
この時点で、私の選択肢は決まった。
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