プロローグ

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死のう。 それしかない。 私が世界を救う等と、意味不明な願いを込めて送り出した母が馬鹿だったの。 「………………」 ……………… 英雄の娘。 スター世界を救う神の巫女。 貴女は誰にも負けない………なんて嘘。 嘘じゃないの! 現実みてよ! 「私に、私に手を出せば」 『あぁ?』 そんな母は、常々言っていた。 どうしようもない時が来たら、父の名を出せば良いと。 これもどうせ嘘だと思うケド、死を覚悟した今なら言える。 「わ、私は………」 英雄ラスベル・エルレーンの一人娘。 そう言えば、直ぐに殺されることはないハズだ。 必ず悪漢共は耳を疑い、とりあえず上官に報告をするって………… 『ククッ、ハハハッ』 『嘘も大概にしろよ、お嬢ちゃん』 「っ!?」 ……………… わかっていたが、やはりムダだった。 母も愚かで、私も愚か。 信じて貰えるワケが無いのにね?
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