第1章

19/67
前へ
/67ページ
次へ
 先日の小雨の中での出来事は忘れたわけもないので、 その所員たちの他愛ない話を聞いて、 はたと思い出した。  そういえばあの娘は、 そもそもこの辺りに住んでいるのか、 それとも何かの事件に巻き込まれてここに流れ着いたのか、 それすらもわからない。  が、 仮にこの辺りに住んでいるのであれば、 当然制服を着て学校に通っていても不思議ではない。  おやおや、 そう思った途端になんだ、 いま心が少し弾んだぞ。  やれやれ、 困ったもんだ。  いい歳こいたおっさんが自分の娘よりもまだ若い女子、 多分女子中学生に何をときめいているんだか、 なんか大昔にそんな恥ずかしい映画を見たような気がする。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加