第1章

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 「あんときはありがと」  と娘は続けた。    聞くと、 何も言わずに出て行ったのが気になって、 お礼にお菓子を持って来たのだという。  へぇ、 案外、 と思うと、 素直に嬉しかった。  「でね…」  「ほんとは、 ちょっとおっしゃれーなお菓子でも買って来るんだろうけど、 ワタシ貧乏なんで、 お金ないんで、 学校の家庭科室で作って来たのさ」  まぁ、 中学生だ。  しかもヤンキー系だ。  日本語が少し変なのはご愛嬌というところか。
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