第1章

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 「へぇ、 あんたが…、 失礼、 君が作ったのか、 すごいね」  「いや、 友達に手伝ってもらった。  ワタシこういうのあまり得意じゃない」  確かに、 得意だと言われる方が違和感があっただろう。  が、 なんにせよ、 ありがたいことだ。  カワイイ娘にそんなことをされたから、 というよりも、 もっと純粋にホワッと暖かいヒーターが心の中で灯ったような気分に久しぶりになれた。  だから、 一緒にここで食べたい、 と思った気持ちもすごく素直なものだったような気がする。  が、 時計は既に夜の十時を回っている。  仮にそんなことをして給油客の誰かがけしからん、 とタレこんだら私はおろか、 警備会社の契約が打ち切られても文句は言えない。  何より、 こんな時間で制服でうろうろしていることを窘め、 一刻も早い帰宅を促すのが大人というものだろう。    「ここで、 一緒に食べよ?」  その時、 初めて見せるはっきりとした笑顔で彼女がそう言った。  語尾が疑問形に「?」と持ち上がっているのにおっさんは冗談抜きで目眩を感じた。  いやいやいや、 いかんいかん、 とそれはたしなめた。
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