12人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ
2人で昇降口に入っていくと、
「角村!」
後ろから冬馬が誰かに呼ばれ振り返る。
「あっ、先輩!お久しぶりです。」
「お前、ウチの高校を受けてたのか。全然変わらな いから、すぐに分かった。」
後ろにいたのは、少しヤンキーちっくな…いやいや、かなりヤンキーちっくな男子生徒と、美人ではあるがこちらもヤンキーちっくな女子生徒だった。
校則を明らかに違反した茶髪に、着崩した制服。女子生徒のほうはピアスもしている。
入学早々、お知り合いになるにはかなりハードルの高いカップルだ。
私が冬馬を置いて立ち去ろうとした時、
「お前も南中だろ?」
と、男子生徒に呼び止められた。
私は小さく頷いて肯定の意を示したが、こちらは全く見覚えがない。
「覚えてないか?2つ上の大宮先輩だよ。サッカー 部だった。」
冬馬が小さな声で教えてくれる。
「あぁ、大宮先輩かぁ…。」
私たちが1年生の時に3年生で、サッカー部で、三送会でH楽さんだった…大宮先輩??!
わ、わ、わ、わ、私の初恋の先輩?!
「えーーーーーーーーーーーーっっっっ!」
私の悲鳴は辺りに響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!