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地元の最寄駅に到着し、改札を抜ける。
そしていつもと同じように、駅前通りから少し外れた、薄暗い一本道を歩く。
やっぱりこの道は薄気味悪い。
人通りがまるで皆無だし、外灯もぽつぽつとしかない。
「…………」
今頃、加瀬さんと一緒かな、相川さん。
先週は保留と言われたらしいけど、今日はどうなるだろう。
……それにしても大人っていうのは、相手が自分を好きって分かってる状態でも、ご飯に行けたりするものなのだろうか。
というかまず、保留ってなんだ。
「好き」って言われて、「付き合う」か「振る」以外の選択肢があることに、密かにビックリしている。
到底、子供には理解出来ない世界なんだろう。
───なんて、考え事をしているから気付かなかった。
「咲さん」
呼ばれてからではもう遅い。
私は馬鹿だ。
気をつけて、って言われたのに。
目の前にはいつ現れたのか、あのお客さんが笑いながらそこにいた。
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