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「……一人にさせらんないからね、こんなときに。
だから俺ん家に連行してるわけだけど、理解してくれた?」
何度も頷くと、バックミラーでそれを確認したようで、クスッと笑った。
それから直ぐに相川さんの家に到着した。
降りるときに「抱っこしたげよっか?」という申し出を丁重に断り、なんとか相川さんの部屋に辿り着く。
「どーぞ」
「お邪魔します……」
玄関を開けてもらい、中に足を踏み入れる。
相川さんの家に来るのは2回目だけど、ちゃんとした意識を持って入るのは初めてだから、少し緊張してしまう。
「じゃあ早速だけど、ソファー座って」
「あ、はいっ」
「……声上ずってるけど、緊張してんの?」
直ぐバレる。
ちょっとは知らない振りをしてくれてもいいのに……。
「2回目なのに、変なの」
「だって……前回はもうそれどころじゃなかったというか。
起きたら記憶ないし、見たこともない場所だし」
「ぶはっ、……そうだね、確かに」
笑いながら私の隣に座る相川さん。
そして、おもむろに私の右足を掴んで自分の足に乗せた。
突然のことに、抵抗する暇もなかった。
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