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「右?」
「い、いや、右足ですけど、一体何を」
「あんま下に向けると熱持っちゃうから」
「いや、だからって」
仮にも上司の足の上に乗せるわけには……!
瞬時に足をどかそうとするが、それは力で捩じ伏せられ、靴下までするりと脱がされる始末。
「こっちのがやりやすいんだよ。
つーか、あんま暴れると余計痛むよ」
「……だ、だってこんなの」
「うん、恥ずかしいだろうけど、我慢して」
………地獄だ。
やってもらってるだけに本気で抵抗出来ないのが、余計にしんどい。
「……うわ、すげぇ腫れてんじゃん。
ここでしょ?」
くるぶし辺りを押され、鋭い痛みに顔が歪む。
それで察したのか、その患部の上に湿布を貼っつけられる。
じわぁ、と熱を持ったそこに、冷たさが広がる。
その上から手際良く包帯を巻き付け、足の手当ては終わった。
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