599人が本棚に入れています
本棚に追加
「そりゃあ、一人でやれることが多いに越したことはないと思うけど。
……残念なことに、やっぱ人間って、なんでも一人で出来るわけじゃないんだよね」
「………」
「一人でやれるのか、やれないのか。
前城さんは、その判断力をもっと身につけなきゃいけない。
今回のことは、真っ先に周りを頼るべきだったよ」
分かってはいた。
自分一人の力じゃ限界があるってことは分かってはいたし、自分がそこまで力量がある人間だとも思ってない。
……だけど、それ以上に、
「それとも、人に頼るのが怖い?」
「──っ!」
あからさまに動揺を見せた私に、相川さんは更に追及する。
「なにが怖い? 言ってみ」
……どうして、この人は見逃してくれないんだろう。
私の中の弱い部分を、そのままにはさせてくれないんだろう。
「……誰かに頼って、嫌な顔されるのが、怖い……です」
そして私も、どうして、この人の前では正直になってしまうんだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!