599人が本棚に入れています
本棚に追加
「前城さんは自分が思ってる以上に、周りの人のこと助けてあげてるよ」
「え？」
見透かされているかの如く、私の中の不安を掻き消すような言葉を掛けてくる。
なんで、そんなことを言い切れるのか。
相川さんは自信ありげに笑ってみせた。
「だって、俺結構言われるもん。
イイコが入ってきたね、って」
────えっ？
「………嘘」
「ほんと。めちゃくちゃ評判良いよ、アナタ。
それって、普段からちゃんと周りに気配り出来てるからこその評価なんじゃないの」
これ以上ないってくらいの褒め言葉だ。
信じられなくて、言葉も出ない。
そんな言葉、私なんかがもらっていいのだろうか。
「もっと自信持ちな。
ちょっとぐらいの我儘許されるくらい、前城さん頑張ってるから」
言葉が出ない代わりに、次々と涙が溢れ落ちてくる。
泣くのは迷惑だから、と閉ざしていた涙をこんな人前で流したのは、一体いつ振りだろう。
………本当にいいの？
もし本当に、我儘が許されるのなら、思いっきり泣いてしまいたい。
全部全部、吐き出してしまいたい。
最初のコメントを投稿しよう！