6. 不変と変化

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「え、お、起きてたんですか」 「そりゃあ、あんなガン見されたらね。 も一回寝たかったけど」 もう完全に目が覚めたようで、さっきとは別人の如く、スラスラと言葉を発している。 ……そんな目を閉じててもわかるくらい、私の視線は強いものだったんだろうか。 「なに? なんであんな見てたの?」 「え、いや、べ…別に」 改めて相川さんってイケメンなんだな、って思ってました。 ……とか、絶対言えない。からかわれるのが目に見えてる。 しかし、そんなので納得してくれる相川さんではなく。 尻餅をついたままの私に、顔をずいっと寄せて来た。 「……こんな距離だったんだよ? なんもないわけなくない?」 それは、もう少し顔を寄せればキス出来ちゃうんじゃないか、ってくらいの近さで。 「い、いやこんな近くないです! もっと離れてました!」 と、断固否定すると、満足そうに「そう?」と笑いながら立ち上がる相川さん。 解放され、安堵の溜息を吐く。 寝起きで、距離感馬鹿になってるんだ、この人。 朝から心臓に悪すぎる……!
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