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「え、お、起きてたんですか」
「そりゃあ、あんなガン見されたらね。
も一回寝たかったけど」
もう完全に目が覚めたようで、さっきとは別人の如く、スラスラと言葉を発している。
……そんな目を閉じててもわかるくらい、私の視線は強いものだったんだろうか。
「なに? なんであんな見てたの?」
「え、いや、べ…別に」
改めて相川さんってイケメンなんだな、って思ってました。
……とか、絶対言えない。からかわれるのが目に見えてる。
しかし、そんなので納得してくれる相川さんではなく。
尻餅をついたままの私に、顔をずいっと寄せて来た。
「……こんな距離だったんだよ?
なんもないわけなくない?」
それは、もう少し顔を寄せればキス出来ちゃうんじゃないか、ってくらいの近さで。
「い、いやこんな近くないです!
もっと離れてました!」
と、断固否定すると、満足そうに「そう?」と笑いながら立ち上がる相川さん。
解放され、安堵の溜息を吐く。
寝起きで、距離感馬鹿になってるんだ、この人。
朝から心臓に悪すぎる……!
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