6. 不変と変化

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「まあ、いいや。 その顔も見れたことだし」 その顔、とは、今のこのあたふたしてる顔のことか。 「……悪趣味、です」 「そうだね。人の寝顔観察すんのも悪趣味だと思うけど」 正論をもろに喰らい、ついに押し黙ってしまう。 相川さんはそんな私に含み笑いをしながら、私の腕を引っ張り、立ち上がらせる。 右足に体重を掛けないように、されるがまま立ち上がる私。 「毛布ありがとね。結局起きちゃったけど、寝かせようとしてくれたんでしょ?」 ……意地悪されるのに、相川さんを嫌いになれない理由。 こうやって散々からかわれた後に、それを上回るほどの優しさを見せてくるからだ。 多分一生、私はこの人のことを嫌いにはなれない。 「……いえ、全然。 それを言うなら、相川さんだって私に掛けてくれたじゃないですか、毛布」 「ハハ、まあね」 ぴょこんと跳ねた寝癖を揺らしながら笑う。 それもちょっと可愛いな、と思ったのは、悔しいから内緒にしておこう。
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