6. 不変と変化

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「お風呂、ありがとうございました」 リビングのドアを開けると、相川さんはテレビを見ていたようで、「はいよ」と私を一瞥したあと、直ぐにテレビに目を戻した。 相川さんの隣に座り、私も一緒になってテレビを見る。 そうすると、相川さんは今度はテレビではなく、私をじいっと凝視した。 「……なんですか?」 「ん? なんか全然違和感ないなって思って」 違和感……? どういうことだろう、それ。 どうやら顔に出ていたようで、相川さんは言葉を続ける。 「俺の家に前城さんがいるっていうのが、あんま違和感ないんだよね」 「……それって」 「彼女みたいだね」 「っ、」 完全に確信犯。 “彼女”というワードで、私が動揺する様を楽しもうとしてるのが、見え見えだ。 「彼女、って……。 相川さんが好きなのは加瀬さんじゃないですか」 「……まあ、そうだね」 「あっ、加瀬さんと言えば! 加瀬さんと約束してたんですよね?どうしてあの場にいたんですか?」 そう尋ねると、相川さんはどうしてか、打って変わって罰の悪そうな顔に変わった。
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