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「……なんか相川さんに話すと、自分が軽くなってくような気がします」
しみじみとした私の言葉を、相川さんは「なにそれ」と笑い飛ばした。
「溜まるに溜まって重くなったものを、相川さんが軽くしてくれるような感じ……です」
「……ねえ、たまーにめちゃくちゃ素直になるそれ、なんなの?」
え。
なんなの、って言われましても……。
「本心ですけど……」
そう言うと、何故か微妙な顔で溜息を吐かれる始末。
いや、そんな顔されても、それ以外に形容できないんだけど。
他になんて言えば……。
不安になりつつも相川さんの言葉を待つ。
「……変な男に目ぇつけらんないようにね」
「はい?」
「いいから、返事」
「え、あ、はい……」
返事を強要され、したはいいものの、なにを言ってるかはまるで理解出来てない。
一人私を置いてけぼりにする相川さんは、楽しそうにふふ、と笑いながら立ち上がる。
「腹減ったんじゃない? なんか食う?」
そう言われてみると、確かに空腹感はある。
素直に頷けば、「ちょっと待ってて」とキッチンの方に向かった。
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