記憶を失った少女

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そう答えると動く様になった身体を動かし、部屋を出ようとした、しかし、エドニスはそんな私の腕を掴むと更に話し掛けてくる。 「お前さんがそう言っても女を1人で行かしたら男の恥だ、どうであれ付き合ってもらうぞ、それにだ…また空腹に襲われても物を買うにはお金が必要だタダでは貰えない、無一文のお前さんだ無理だろ?」 「では、お金と言う物を手にする方法を教えて下さい…私はそれで何とか致しますから」 「意外と頑固だな、お嬢ちゃん…まぁ、そこまで言うなら教えるが、今この町でお金になる仕事はさっきも話したが海賊討伐が盗賊団壊滅しがない、お前さん1人で出来ねーだろう?」 ふと、エドニスの心の声が聞こえる、それは旅の資金が尽きていて仕事を貰わなければ先に行けないと言う切実な問題、イヴはクスクスと笑いながら口元を押さえて 「エドニス様も素直ではないご様子ですね…お金がないのならそう仰ってくれれば宜しいですのに」 鋭いツッコミを入れた、エドニスは驚いて肩を落とすとその事情を話そうとしたがイヴは既にその原因もわかっている様でまたクスクスと笑って彼が話す前に真相を口にした。 「カジノ…ですね…アレは確か人々が楽しんで遊ぶ施設ですか…エドニス様はそこで大負け?して資金が無くなった…そーなのですね?」 エドニスの開いた口が塞がらない、全てを見透かされ二の句が告げない、そんな感じだ。 「イヴ…君はエスパーか?」 「いえ、解りません…ただ、今エドニス様が心に思っていた事を公言しただけです、どうやら私にはその様な物があるのかも知れませんね」 「怖い子だ…まぁ確かにイヴが話した事は全部事実だよ、どうやら君には嘘と言うものが通じない様だな…」 すると、エドニスと別の所… 『港の方に警戒して下さい、悪意に満ちた何かが来る様です、戦闘モード砲撃スキル発動!必要になるパワーを装填します、対象形態は船、ランチャー使用可能なパワーを充填、港座標100メートルの位置に使用可能な武装あり、対象10分23秒で射程に入ります』 「エドニス様、どうやら港に何か現れる様です、船ですが、何か心当たりはありますか?」 「海…海賊か…」
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