記憶を失った少女

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結局甲板で二本の短剣を抜き身構える羽目に…だが、イヴは既にマシンガンをダブルで連射し次々と海賊達を淘汰して行く、弾が切れると今度は太腿に装備した二丁拳銃を抜き容赦なく銃弾を浴びせた。 更に弾切れと同時にサバイバルナイフを構えると恐るべき身体能力で残りの海賊を倒して行く、数名が逃れようとしたがその後ろに控えていたエドニスの双剣が彼らを仕留め、遂に海賊は船長のグロップだけとなり彼は命乞いするかの様に土下座して震えていた、しかし、それが演技だと言う事はイヴも解っていて助ける振りをして背中を向けると、案の定船長のグロップは剣を抜き 「化け物め!死ね!!」 そう言ってイヴに襲い掛かる、エドニスは距離があり過ぎて間に合わない、万事休すかと思った瞬間、次の行動を見越していたイヴに躱され背中を取られると 「哀れな者共め…この私が貴様などの演技見破れないと思ったか?…フッ!愚鈍な奴め…」 不気味な笑顔で笑うと容赦無くグロップの首をかき切り始末した。 『目標オールクリア…生存1、消去選択』 「彼にそれは必要…な…い…わ…」 イヴはそう言うと再び電池が切れたかの様に倒れて気を失った。 双剣を鞘に収めたエドニスが再びイヴをお姫様抱っこの様に抱える…しかし、エドニスは彼女の穏やかな寝顔を見ても途端にそれが怖く見えた。 「……一体この子は何者なんだ…さっきの砲撃と言い船に乗り移ってからの身体能力言い…この子は本当に人間なのか?」 浅瀬で座礁した船を降り沈み行く姿を見届けると丁度エドニスを助けに来たアギレラのボートに乗り込み港へ帰港した。 ………また、話し声が聞こえる、今度は私を警戒しながらの話す声、そうか…私はまた。 今度は寝たふりをしながら様子を伺うイヴ 「………彼女が何者で何処から来たのか、俺はその真相に迫りたいと思う」 「でも、エドニス…彼女は危険なのだろう?そんな相手と旅するのは気が進まないのだが…」 「別にアギレラまで来てくれとは言わない、だいいちお前まで街を去れば戦力が下がり過ぎて海賊はもう壊滅したが、盗賊団の方に対応出来なくなる、それでは正式な依頼を遂行出来ないだろう?」 「だが、彼女は危険過ぎる、ずーっと稼働できなかった過去の遺物をいとも簡単に操り、使い方さえ忘れている銃器を簡単に使い身体能力も高い…まるで人智を超えてる」
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