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「だが、彼女は俺を排除しなかった…と言う事は彼女は危険因子を見つけ出しそれを排除する為に存在しているのかも知れないだろ?記憶がないとイヴは言っていた、つまり彼女の記憶を解き放てば自分が何の為に存在しているのか理解出来る、俺はその手伝いをしてやりたいんだ」
「人が良過ぎるぞエドニス…」
「それが俺だ…お前も知っているだろう?」
「お前は1度言い出したら頑固だからな…仕方ない自由にしろ!ただし危険が生じた場合は速やかに手を引きシュバルツに帰投してくれ!隊長不在ではいつ迄持つか解らないぞ?」
「解っている…暫くお前に預けるから頼む!」
「それは命令か?」
「命令だ!アギレラ副隊長!」
「なら仕方ない…了解した!」
エドニスとアギレラが会話している時にふと頭に過ったのは彼らがトレジャーハンターと言う人間ではなくマドラス公国フロンティアライン防衛隊の隊長と副隊長であると言う事実…更にイヴはマドラス公国と言う言葉が引っかかっていた。
(これ以上彼等に関わってはいけない…彼等を巻き込む訳に行かないから…)
イヴは決断するとベッドに横たわりながら機会を伺った、やがてエドニスの高いびきが聞こえるとそっとベッドから起き上がり考える…すると
『これより強制空間移動を開始します、対象1は警戒対象ではありませんが人工知能搭載型アンドロイド・イヴよりの指令です…転送開始、距離2000を1分で移動完了します』
人工知能搭載型アンドロイド…イヴはその時初めて自分が人間てはない事を認識させられた。
(そう言う事か…私は人間ではない、人間を可能な限り具現化するマシン、なるほどこの頭に流れ込む声は私を管理するデータ…そうなのね)
『形式2033ーX00個体名イヴの転移を開始します空間シンクロまであと20秒…19…18…17…16…』
(短い間でしたがお世話になりましたエドニス…いや、フロンティアライン防衛隊隊長、ステファン・アドニスさん…)
『空間移動迄後5秒…4…3…2…空間移動を開始します!』
イヴの身体が急に光の輪に包まれる、その光に目を覚ましたエドニスは薄れ行くイヴの身体に触れようと手を伸ばしたが弾かれてしまい立ち尽くす。
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