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ホント、ああいえばこういうんだから……。
小夜は微笑みながら、ゆっくりと如月に抱きつく。
すると彼の華奢な体は氷のように冷たかった。恐らく何時間も私を探し続けてくれていたんだろう。
ごめんね、いつも心配ばかりかけて……。
小夜は彼の胸に顔を埋める。
久しぶりのダーリンの薄い胸板……。
彼のゆっくりとした鼓動は、いつも私を安心させてくれる。
彼女が心の中でそう呟いた時だった、如月が静かに口を開く。
「……雪だ」
ホントだ……。
空を見上げると、いつの間にか星空は消えていた。
その変わり美しい粉雪が静かに降り注いでくる。
なに? このロマンティックなシチュエーション……正直、出来すぎでしょ?
小夜はそう思いつつ、雪を珍しそうに眺める如月に視線を移した。
すると彼は「どうした?」と言って小首を傾げる。
「キスしたいんですけど、いいですか?」
「……ダメと言ってもするんだろ?」
この状況よ、普通は男から仕掛けてくるのが礼儀ってもんでしょ?
小夜はそう思いつつ無言で頷いた。
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