第三章 「その嘘を愛そう 2」

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「うーん……似てないわね」     「よ、よく言われます……あれっ、兄のことご存じなんですか?」   「勿論よ、だってあの(・・)()の貴重なお友達だもの」   あの子? ……ああ、お兄ちゃんのことか。   それにしても、信ちゃんのヤツ……。   琴音先生と知り合いだなんて、一言も言ってなかったのに。   「因みにお兄さんのことだけじゃなく、貴女のことも色々と知ってるわよ」   「えーと……例えばどのようなことを?」   「テンパってお酒飲んで、酔っぱらった挙句にあの子のほっぺにキスしたこととか……」   2年前の消したい記憶――。   あの後は散々、信ちゃんと早苗さんに叱られた。
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