第一章「粉雪の降る夜に 1」

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どうやら私はまたやらかしてしまったようだ……。   小夜は静かに俯く。   すると早苗は吐息を漏らしながら、相変わらず無表情で昼食を続ける如月に呆れ顔を向ける。   「アンタの気持ちも分からないでもないわよ……でも言い方ってものがあるでしょうが、ねえ?」   早苗は先程から気まずそうに事の成り行きを見守っていた、清水信二に同意を求める。   すると彼はボーズ頭を掻きながら曖昧に頷いた。   因みに彼も早苗と同様に陸上部に在籍している。   温厚で心優しい性格――私たち仲良し4人組の一人である。
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