中立都市アゼルバイヤード

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「――私は図書館の雰囲気好きなんですけどね。レオナは騒々しい場所が好きだから……。」 「オレ、図書館と本屋の静まり具合苦手。なんか腹痛くなる」 ガタッ! 私も時々ある!、と思わずテーブルを叩いてしまう。 「あ……ご、ごめんなさい」 私は昔から、同じ境遇の人と話が合うと興奮してしまうのだ。 ソルトが私と同じ境遇かは分からないけれど、少なくとも団体を脱走(離脱)した境遇は同じだと思う。 変に距離を縮めてしまうのが私の悪い癖だ。 距離。 私に対する距離はデュラン兄弟は縮まっているのかな。 今のところ平穏に旅を続けているけれど……。 久しぶりの図書館に私の心は弾んでいた。
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