ひとつの星

7/12
前へ
/699ページ
次へ
「――兄貴の推測な訳でしょ?それ信じろって無理があるんじゃないの?」 壁にもたれて腕組みしているレオナは とても不機嫌そうだ。 そうだよね。いきなりアバンベリーが600年前に誕生したとか私達の記憶がすり替えられているとか、訳が分からない。 「お前ら兄貴の真剣な顔見て分かんねーのかよ。兄貴が嘘つく訳ねーだろ」 「いやいやアタシ達キールの素性知らないし。たった数週間一緒に居ただけで あんた達兄弟がいつクロノスに寝返るか分からないじゃん。リリィもそー思うっしょ」 レオナは完全にキールの話を信じていないらしい。 それどころか私達を混乱させる為の罠だと思っている。 「私は……私が知りたい。その為にはまずアバンベリーを知る必要があると思うから……。」 「だから?キールの話信じろって? あんたさーちったぁ疑う癖付けたら? そんなんだからAチームに煙たがれるんだよ。あ、Aチームのムカつくヤツあんた殺したんだっけ」 止まらないレオナのマシンガントーク。 思い出したくなかった訓練場の惨劇。
/699ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加