ひとつの星

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「君達がアイリス、マザーの元から離れて正解だ。彼女は危険すぎる」 マザーは私の恩人であり絶対的な存在だった。 今は絶対的な恐怖の存在へと変貌した。 「明日ここを出発してカルドナに向かう。カルドナからエルフィール大陸に出向して最高機密都市ギースを目指そう」 スラスラとキールは次の目的地を提示する。まだ困惑している私達は頷くしかなかった。 [最高機密都市ギース]とは各大陸から研究者が集結しているエキスパートの街らしい。 そこに行けばアバンベリーの謎を解明できるかもしれない。 私達はキールの言う通りにするしかない。女の子二人の行き当たりばったりな旅に男の子が加わって刺激的な毎日だ。 私はいつ覚醒するか分からない。 ……違う意味での刺激。 髪飾りを触る。 男の子を知らない私に刺激を与えてくれる。 覚醒。 アバンベリー。 マザー。 アイリス。 クロノス。 男の子。 複雑に交差して頭がパンクする。 眠れない。 夜中。私は窓を開けて星空を眺める。
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