3. そんなはずがない!(橘)

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「悠里、私好きな人できた。」 お互いに部活が休みの日、私は寄り道したモックバーガーで、好きな人ができたことを悠里に話した。 その相手が「朝比奈響」ということに、悠里は予想通り驚いていた。 「・・・杏子と名前似ててお似合いだねっ!」 びっくりしすぎて、とんちんかんなこと言いだしたけど。 私は今まで何度か告白されたことがあるけど、 全て「興味ない。」で断っていたから。 それは朝比奈も一緒で。 あいつが女子嫌いなことは有名だった。 「だって、朝比奈くんって女子興味ないっていう噂あるよね。」 もちろん、悠里もその噂を知っていて。 「そうよ。あいつ全然愛想ないし、話してても目も合わせてくれないし、話しかけてもそっけないし!!!いっつもちびの青山快斗(あおやまかいと)と一緒にいるし!」 そうだ。 あの生徒会室の出来事が嘘か夢か、 あるいはあれは別人だったかのような態度をされている。 しかも、いつも青山と一緒にいるから、 ゲイ説まで浮上する始末だ。 なのに、なんで私が朝比奈を好きになったか 聞かれたけど。 悠里には「いつのまにかよ」と答えた。 自分でもまだ、あいつに恋してる事実を受け入れるのに、ちょっと戸惑っていたから。
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