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「悠里、私好きな人できた。」
お互いに部活が休みの日、私は寄り道したモックバーガーで、好きな人ができたことを悠里に話した。
その相手が「朝比奈響」ということに、悠里は予想通り驚いていた。
「・・・杏子と名前似ててお似合いだねっ!」
びっくりしすぎて、とんちんかんなこと言いだしたけど。
私は今まで何度か告白されたことがあるけど、
全て「興味ない。」で断っていたから。
それは朝比奈も一緒で。
あいつが女子嫌いなことは有名だった。
「だって、朝比奈くんって女子興味ないっていう噂あるよね。」
もちろん、悠里もその噂を知っていて。
「そうよ。あいつ全然愛想ないし、話してても目も合わせてくれないし、話しかけてもそっけないし!!!いっつもちびの青山快斗と一緒にいるし!」
そうだ。
あの生徒会室の出来事が嘘か夢か、
あるいはあれは別人だったかのような態度をされている。
しかも、いつも青山と一緒にいるから、
ゲイ説まで浮上する始末だ。
なのに、なんで私が朝比奈を好きになったか
聞かれたけど。
悠里には「いつのまにかよ」と答えた。
自分でもまだ、あいつに恋してる事実を受け入れるのに、ちょっと戸惑っていたから。
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