ルフの物語

3/44
前へ
/44ページ
次へ
朝日がのぼり、生活の音が聞こえ始めた。 だんだんと外が騒がしくなり、青年も目を覚ました。はっきりとしない頭を冷たい水でたたき起こす。窓を開けると、爽やかな光が全身を包んだ。 「ん~!いい天気だなぁ!」 そう言って手早く準備を済ませ、外に出る。 村の人々の寄合所のようになっている酒場へ向かいながら、すれ違う人たちと簡単に朝のあいさつをする。 少し歩いたところで酒場へついた。勢いよく扉を開け、酒場にいる全員に聞こえるよう大きな声でおはようと言った。 「おお!ルフ!今日は休みなのかい?」 「そうだよニールさん。」 こっちにこいよと言われ、5人の男が酒を飲んでいるテーブルに座る。 「昼間からお酒飲んで飽きないの?」 「酒は俺らにとっちゃ血みたいなもんだ!!どうだ?お前も飲んでみるか?」 ニールと呼ばれた男の一言で、男達は豪快に笑った。テーブルにいる、もうひとりの男がルフに話しかける。 「今日も探しに出かけるのかい?」 「いんや、今日は例の建物に行こうと思ってるよ。」
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加