5人が本棚に入れています
本棚に追加
「多分?」
「うん。これが恋愛感情かどうかはまだ確かじゃない。でも、あたしは凛音くんを守りたいし側に居たい。」
きっと、あの時誓った思いは
少しずつ変化していく。
「この感情は、きっとこれから強くなると思うの。だから…。」
言葉の途中で、遮られた。
細身なのに、しっかりした彼の腕に。
「我慢できなかった。」
初めて、男の子に抱きしめられている。
他でもない、凛音くんに。
「俺も、多分、お前が好き。…いや…。」
ぎゅ、と背中に力が伝わる。
「いま、確かに好きになった。…葉月に恋した。」
突然、下の名前で呼ばれたことや彼の言葉に、心が揺れ動いた。
「昨日、帰ったあとに慌てて曲を書いた。…ノートもプレーヤーも鞄のなかだけど。」
「歌って。」
「え?」
「今、歌ってよ。」
少し戸惑った表情をしてから、彼が息を吸った。
最初のコメントを投稿しよう!