気づけ。

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「多分?」 「うん。これが恋愛感情かどうかはまだ確かじゃない。でも、あたしは凛音くんを守りたいし側に居たい。」 きっと、あの時誓った思いは 少しずつ変化していく。 「この感情は、きっとこれから強くなると思うの。だから…。」 言葉の途中で、遮られた。 細身なのに、しっかりした彼の腕に。 「我慢できなかった。」 初めて、男の子に抱きしめられている。 他でもない、凛音くんに。 「俺も、多分、お前が好き。…いや…。」 ぎゅ、と背中に力が伝わる。 「いま、確かに好きになった。…葉月に恋した。」 突然、下の名前で呼ばれたことや彼の言葉に、心が揺れ動いた。 「昨日、帰ったあとに慌てて曲を書いた。…ノートもプレーヤーも鞄のなかだけど。」 「歌って。」 「え?」 「今、歌ってよ。」 少し戸惑った表情をしてから、彼が息を吸った。
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