恋のリードは譲れない

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いつもの道をまっすぐ進むと、今日もカワシマくんがやってきた。 「あっ長峰さん、小太郎!」 さっそく僕は作戦を実行した。 まずは……そっとカワシマくんにくっついてみる。 「ハハハ、可愛い」 よしっ、まずは大成功。 そして次はカワシマくんの周りを行ったり来たり、通せんぼ。 「わっ!小太郎今日は元気だな」 カワシマくんが笑うと、ユキちゃんが 「ごめんね」 と謝った。 あれっ、失敗だったかな? 僕の予想はあたって、ユキちゃんとカワシマくんはすぐにバイバイをした。 んー……なかなかうまくいかないなぁ。 次の日は作戦を変えてみることにした。 じっと座っていると、 「今日はおとなしいね」 とカワシマくんは僕のことを何度も撫でた。 今日は昨日よりは好感触。 でもここで長くお話ししても意味がないんだ。 メルちゃんのところへ行かないと……。
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