恋のリードは譲れない

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僕は何だかうれしくなって少しだけ前に走ってみた。 「わっ!」 僕の想像通り、ユキちゃんはまたバランスを崩してカワシマくんの胸にトンっとおでこがついた。 「危ない!」 そう言ってカワシマくんが、ユキちゃんの背中に手をまわした。 「……大丈夫?」 カワシマくんの言葉にユキちゃんがこくりとうなずいた。 その後、二人はゆっくりリードをほどいて、僕はユキちゃんにとっても叱られた。 「ごめんね、川島くん」 「気にしないで。じゃあ、また明日」 そう言ってバイバイをした後、ユキちゃんは少し嬉しそうだった。 明日は土曜日だ。 また明日っていうのは、学校じゃなくて、またここで会おうってことだ。
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