恋のリードは譲れない

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「川島くん!?」 そう、カワシマくんだ。 どうしてカワシマくんがここにいるんだろう。 いつも、会う日はそこでカワシマくんは曲がってしまうから、この道は通らないはずなのに。 「長峰さん、いつもこっちから来るなぁと思って、今日はこっちに来てみたんだ」 「そうなんだ。えっとー……」 「あっ、ごめん。迷惑だったかな?」 「ううん!全然!」 そうだ、全然だよ! 僕がカワシマくんに近づこうとすると、ユキちゃんは 「ダメ!」 と僕のリードを引っ張った。 仕方がないので、おとなしく待ってみる。 「何だか、毎日小太郎に会わないと、気になるようになっちゃって」 えっ!?僕?もーカワシマくんったら、犬を見る目があるんだな! 「そう、小太郎……」 ユキちゃんがちょっとだけ悲しそうだ。 これはたぶんヤキモチってやつだ。 「それに……長峰さんに会うのも楽しみで」 「「えっ!?」」 僕と、ユキちゃんが同時にしゃべった。 僕の声にユキちゃんとカワシマくんはびっくりしたみたいで、二人で顔を見合わせて笑った。
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