2人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日からカワシマくんとユキちゃんは、いつもの“分かれ道”で待ち合わせをすることになった。
いつものその道を左に曲がって、僕はようやくメルちゃんに会いに行くことができた。
メルちゃんにいっぱい褒めてもらおう!カワシマくんを紹介しよう!と思って、家に行ってみると
「えっ!?ユキちゃんの好きな人ってケイタくんだったの?ケイタくんは、私のパパのお孫さん!よく遊びに来てる」
と言った。
何も知らないユキちゃんが
「この子、小太郎のガールフレンドなの。メルちゃんって言うんだよ」
と笑うと、カワシマケイタくんは、
「うん、知ってる」
と笑い返して、ユキちゃんを驚かせた。
何だ……。
だったらもっと早く、ここに来れる方法があったかもしれないじゃないか。
僕がふんっと鼻をならすと、メルちゃんが
「頑張ったね、小太郎くん。会いに来てくれてありがとう」
と僕の頬に鼻をこすりつけた。
「ちょっと待ってて!」
そう言って、カワシマくんは家の中に入り、メルちゃんにリードをつけて戻ってきた。
初めて外で、メルちゃんに会えた!
いつもみたいに鼻だけじゃなくて、いっぱいチューができる。
って僕が喜ぶと
ユキちゃんが
「小太郎……はしゃぎすぎ」
と“恥ずかしい”の顔をした。
でも僕はそんなのへっちゃら。
だってユキちゃんとカワシマくんが、今度からはメルちゃんも一緒に“お散歩デート”をさせてくれるって約束してくれたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!