2人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから一か月、僕の散歩は毎日とっても楽しいものになった。
毎日メルちゃんがいて、ユキちゃんとカワシマくんもニコニコしていて、楽しそう。
この間、一つだけ不思議なことがあった。
ユキちゃんがいつもの電話の機械をたまに“カワシマくん”って呼ぶようになってから何日かたったころ、その“カワシマくん”にユキちゃんが“好き”って言ったんだ。
その次の日から、ユキちゃんとカワシマくんはなぜか毎日手を繋いでいる。
あの電話っていう機械は、本当に不思議だ。
人間の世界は、まだまだ分からないことがいっぱいある。
でも、僕は人間が大好きだ。
でもきっとユキちゃんたちも僕が大好きだ。
何だかそう思うと少しうれしくなって、僕は思わず走り出した。
握ったリードがピンっと張って少しよろけたユキちゃんを、カワシマくんがそっと支えた。
最初のコメントを投稿しよう!