2人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてそれからというもの、ユキちゃんはいつもの道をまっすぐ進むようになった。
最初は工事中だからあきらめていた僕も、数日間の工事が終わった今、簡単には譲れない。
工事が終わってから二日も譲ったんだ。
今日こそ僕はこっちに行くんだ!
無理やりリードを引っ張ると、ユキちゃんは少しだけよろけた。
「あっ、大丈夫!?」
思わず声が出たけどユキちゃんは
「もー小太郎!ダメ!」
と僕を叱った。
人間には僕の言葉が全部“ワン”って聞こえているらしい。
僕の物まねをする人はみんな
「ワン、ワン」
と言う。
僕はユキちゃんを心配したのになぁ。
最初のコメントを投稿しよう!