恋のリードは譲れない

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「今日も、カワシマくんには会えたんだけど……なかなかうまく話せなくて。うん、うん。 どうすればいいかな。小太郎とは仲良くなってくれたんだけど」 僕には聞こえないけど、電話はいつもユキちゃんに素敵な答えをくれるみたいだ。 「えー言えないよー!『良かったら一緒に散歩しない?』なんて。変な人じゃん。そんなこと言ったら絶対引かれるよー」 ユキちゃんは無理無理、と言ったけど僕は閃いた。 電話はすごいアイディアマンなんだなぁ! そうだ!カワシマくんがあの道にいくようにしなくても、ユキちゃんとカワシマくんが二人であの道を通ってくれれば良いんだ。 そしたらユキちゃんも僕もうれしい。 一石二鳥、ってやつだ。 よしっ、明日メルちゃんに報告しなきゃ。 翌日僕は、また仰向けスタイルまで踏ん張って、左の道に曲がることに成功した。 メルちゃんは僕の提案を応援してくれた。 よしっ、明日から全力で頑張るぞ!
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