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起動したSNSの画面を見ると『SNS無料通話-ゆーちゃん』の表示が出ている。
あたしは何の気なしに『通話』ボタンにタッチした。
「おはよー。ひどいじゃんゆーちゃん、寝落ちなんてさー」
予想していた「ごめんごめん」みたいな声は帰ってこず、スマホからはゆーちゃんのすすり泣きの声だけが聞こえていた。
さっき止めたばかりの目覚ましがスヌーズでまた鳴り出す。
すると、窓から別のゾンビが顔を出した。
――ぱぱぱぱぱっ
とりあえずヘッドショットを決めて、目覚ましを止める。今度はスヌーズしないように、後ろのつまみをパチッと回した。
「もしもし、ゆーちゃん?」
『ゾンビがね! ゾンビが!』
ゆーちゃんの声を聴きながら窓枠を飛び越えて、倒れているゾンビの頭を潰す。これ効率悪いなぁ。アルミの日本刀の方が良いかもしれない。
なんとなく庭の向こう、通りの方へ目を向けると、ゾンビに追いかけられてる近所の人たちが見えた。
『あやめちゃん! 聞いてる? ゆーのお家にね! ゾンビがね! 居るの!』
「ゆーちゃん落ち着いて。どうやらこのゾンビは音に反応するタイプみたい。とにかく静かに待ってて。迎えに行くから」
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